【夏バテ】補中益気湯と清暑益気湯の特徴と違い【漢方・生薬比較】

 こんにちは! くくたるです!!

 そろそろ梅雨の時期が迫ってきておりますが、皆様は夏バテは経験されたことがあるでしょうか? 疲れてだるく感じたりしんどくなってしまうと大変ですよね…。

 そこで今回は、夏バテを起こす原因と夏バテ対策の漢方薬として補中益気湯と清暑益気湯の違いを含めて紹介したいと思います!

夏バテはどういう状態?

 高温多湿でジメジメと蒸し暑い状態が続くことで、発汗や体力の消耗をして疲れてしまったり、暑さ対策に冷たいものを飲みすぎたりクーラーで体を過度に冷やすことで胃腸の機能が低下して消化吸収能力が落ちて疲れや下痢・吐き気が生じたりする状態のことです。

補中益気湯とは

構成生薬

黄耆(オウギ)、白朮(ビャクジュツ)、人参(ニンジン)、当帰(トウキ)、柴胡(サイコ)、大棗(タイソウ)、陳皮(チンピ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、升麻(ショウマ)

 

生薬の特徴

●黄耆・柴胡・升麻の組み合わせ! ※黄耆は単体でも、柴胡と升麻の組み合わせが大切!

 これらの組み合わせは、升提(しょうてい)作用といって、臓器などの下垂したものを持ち上げる作用が期待できます! だらんとした臓器が引き締まって持ち上がるイメージでしょうか!

 今回は夏バテでの紹介ですが、脱肛や胃下垂、子宮下垂などの時に補中益気湯が使われるのはこのためですね!

●補気(気を補充する役割)のある生薬:黄耆、人参、白朮、大棗、甘草

 気を補うことで、全身的な機能面の改善が期待できますね! 元気にする薬というイメージにも納得ですね!

 夏バテに当てはめると、胃腸機能が弱った状態(脾気虚)を改善して消化吸収能力を高めて疲れを改善するイメージですね!

 

補中益気湯の効能・効果(市販薬)

 体力虚弱で、元気がなく、胃腸のはたらきが衰えて、疲れやすいものの次の諸症:虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒

清暑益気湯とは

構成生薬

黄耆(オウギ)、蒼朮(ソウジュツ)、人参(ニンジン)、麦門冬(バクモントウ)、陳皮(チンピ)、当帰(トウキ)、黄柏(オウバク)、甘草(カンゾウ)、五味子(ゴミシ)

 

生薬の特徴

●麦門冬と(当帰)、五味子が含まれていること!

 麦門冬が津液、当帰が血を補給することで、陰液の補給ができます!

 五味子は収渋作用により、陰液が体外へ漏れ出ることを防ぎます!

 ちなみに甘い味(麦門冬)と酸っぱい味(五味子)の組み合わせは、水分を補い汗などで脱水を起こさないように調節してくれますので、夏バテ対策としてオススメの味ですね!

●補気のある生薬︰黄耆、人参、甘草

 夏バテで弱った胃腸(脾気虚)を整え、消化吸収能力を高めて疲れの改善をするイメージです!

●清熱のある生薬︰黄柏

※清熱︰熱を冷ましたり、炎症・赤みを改善する作用のことです。

※清熱薬ではないですが、麦門冬や当帰も陰液(冷やす性質)を補給するため、熱を冷まします

 

清暑益気湯の効能・効果(医療用)

暑気あたり、暑さによる食欲不振、下痢、全身倦怠、夏やせ

蒼朮と白朮について

 同じ漢方名でもメーカーにより入ってるものが蒼朮だったり白朮だったりします。どちらも利水(水分を巡らせる)しますが、白朮は補気で胃腸を整えて結果的に利水的に働くイメージです!

夏バテまとめ

①夏バテは体の熱を冷まそうと、クーラーなどの冷たい風に当たりすぎたり、冷たいものを飲みすぎることで胃腸が冷えることで起こる。

②胃腸が冷えると消化吸収がうまく行かないため、エネルギーが摂れずに疲れやだるさが出たり、下痢や嘔吐をしてしまう。

※冷たいもの(アイスや冷水など)の取りすぎにより脾の動きが悪くなったり、脾に湿が溜まる(水滞)ことで起こります。高温多湿による湿気でも脾の機能が低下すると考えられます。

③下痢や嘔吐、多量の発汗は、脱水症状を起こすだけでなく気も多量に消耗する。=補気が必要

補中益気湯と清暑益気湯まとめ

補中益気湯、清暑益気湯どちらも共通する働き

 補気(気を補う)作用があることです!

 発汗や下痢などで気が消耗してしまったり、胃腸の機能低下により気の補給が出来ずに疲れや倦怠感を感じてしまいます。

 

清暑益気湯の利点は?

 補気をするだけでなく、発汗や下痢などで失った水分(陰液)を補給できることと清熱(熱を冷ます)作用が期待できるところです!

※冷たいものの飲みすぎなどで脾に湿が溜まると水分の消化吸収が上手くいかなくなることと、暑さによる発汗などで陰液を消耗してしまうため、陰液の補給が利点となります。

 

補中益気湯+食養生で疑似的な清暑益気湯にも!

①多量の発汗などで水分が失われる状況の対策としては、甘いものと酸っぱいものの組み合わせ(パイナップルやグレープフルーツ、トマト、梅干し+ハチミツなど)を摂取して、陰液の補給+陰液や気が漏れ出ることを防ぐことも併せてできると良いと思います!

②暑いなど熱症状の対策としては、苦いものが熱を冷ます作用があるため、ゴーヤなどの夏の旬の野菜で苦いものを併せると良いと思います!

市販薬で私のオススメの紹介

【オススメの理由】

①私が中医学を学ぶ上で非常に参考になる講義をしていただいたから。

②クラシエが大手メーカーであるから。

【注意点】

①治療中の病気がある方

②使用中のお薬がある方

③副作用やアレルギーを経験されたことがある方

④妊婦・授乳婦の方

上記に当てはまる方は、医師や薬剤師に相談した上で使用の判断を行うようにしてください。

 

補中益気湯

※まとめで紹介した食養生もプラスするとより対応できると考えられます!

 

清暑益気湯

 清暑益気湯に関しては、市販薬がクラシエ以外も含めてなさそうです。※私が見つけられていないだけかもしれませんが…。

最後に

 というわけで、今回は夏バテの原因とその対策、漢方薬としては補中益気湯と清暑益気湯の違いを含めて紹介しました!

 暑いからと冷やしすぎることもバテる原因となるため、何事もやりすぎは禁物ですね!!

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 ではでは!!

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