こんにちは!
くくたる(twitterはコチラ)です!
【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年
【その他資格】
●国際中医師
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
※国際中医師は医師免許ではありません。
2022.4にロキソニンEXテープが発売されましたね!
個人的に気になる特徴は3つで、
①「ロキソプロフェンナトリウム水和物」をシリーズ史上最高濃度8.1%配合!
②EXテープは、Sテープよりも厚さを30%減らした薄型設計!
③鎮痛補助成分と血行促進成分を追加配合!
この辺りが気になるところです!
単純に考えると、ロキソプロフェンナトリウム水和物の8.1%含有は医療用のロキソニンテープの濃度を超えております!
病院よりも濃度が高いものが市販薬で発売されるとは考えにくいため、何かカラクリがあるのではないかと気になってしまいました…!
というわけで今回は、既存のロキソニンSテープや医療用のロキソニンテープと比べて何か違うのかをまとめていきます!
ロキソニンEXテープの基礎情報
成分の特徴と製剤の特徴に分けて紹介します!
ロキソニンEXテープの成分量(膏体100g中)
①ロキソプロフェンナトリウム水和物:8.10g
②トコフェロール酢酸エステル:2.3g
③l-メントール:3.5g
ロキソプロフェンの量が従来と比べて増量されている点とトコフェロール、l-メントールが成分として追加されています!
余談ですが、従来のロキソニンSテープ、医療用のロキソニンテープも添加物としてl-メントールが含まれています!
ロキソニンEXテープの製剤特徴
EXテープは、Sテープよりも厚さを30%減らした薄型設計です!
EXテープ、EXテープLそれぞれの大きさを紹介します!
【ロキソニンEXテープ】
1枚あたり(7cm×10cm)膏体量0.7g
【ロキソニンEXテープL】
1枚あたり(10cm×14cm)膏体量1.4g
続いてロキソニンSテープ・医療用のロキソニンテープを紹介しますが、1枚当たりの膏体量が重要なポイントとなっています!
ロキソニンSテープ・医療用のロキソニンテープの基礎情報
ロキソニンSテープとロキソニンテープの成分量や特徴は同じため、ロキソニンテープとしてまとめて紹介します!
ロキソニンテープの成分量(膏体100g中)
ロキソプロフェンナトリウム水和物:5.67g
ロキソニンテープの製剤特徴
Sテープ、SテープLに分けて紹介します!
【ロキソニンSテープ】
1枚あたり(7cm×10cm)膏体量 1g
※ロキソニンSテープは医療用のロキソニンテープ50mgと対応します
【ロキソニンSテープL】
1枚あたり(10cm×14cm)膏体量 2g
※ロキソニンSテープLは医療用のロキソニンテープ100mgと対応します
ロキソニンSテープと比べ、EXテープは製剤設計により厚さを30%減らした薄型設計という点が特徴となっていますが、膏体量も30%減っていることがわかりますね!
続いて、膏体量が30%減ることで何が変わるのかについて紹介します!
ロキソニンテープの膏体量と成分量の比較
ここまで引っ張って書いてしまいましたが、結論はロキソニンEXテープとロキソニンSテープ・医療用のロキソニンテープに含まれるロキソプロフェンの含有量は同じです!
ロキソニンEXテープのセールスポイントである「ロキソプロフェンナトリウム水和物をシリーズ史上最高濃度8.1%配合」は正しい表現ではあるのですが、テープ1枚あたりの含有量で考えると誤解を招く表現だと私は思います!
それぞれのロキソニンテープの含有量を計算で求めると…?
●ロキソニンEXテープは膏体100g中にロキソプロフェン水和物が8.1g含まれています!
●ロキソニンSテープは膏体100g中にロキソプロフェン水和物が5.67g含まれています!
【ロキソニンEXテープ】
ロキソニンEXテープは1枚あたり(7cm×10cm)の膏体量が0.7g含まれているため、
膏体100g : ロキソプロフェン水和物8.1g = 膏体0.7g : ロキソプロフェン水和物Xg
これを計算すると、1枚あたりロキソプロフェン水和物は56.7mg含まれていることが分かります!
【ロキソニンSテープ】
ロキソニンSテープは1枚あたり(7cm×10cm)膏体量 1g含まれているため、
膏体100g : ロキソプロフェン水和物5.67g = 膏体1.0g : ロキソプロフェン水和物Xg
これを計算すると、1枚あたりロキソプロフェン水和物は56.7mg含まれていることが分かります!
※ロキソニンSテープは医療用のロキソニンテープ50mgと対応します
計算してみるとわかりますが、実はロキソプロフェン量はどちらも同じという結論になります…!
イメージしにくい方のために極端な例を紹介します!
極端な例で考えると…?
①1gの塩を100mLの水に溶かしてすべて(100mL)飲む!
②2gの塩を100mLの水に溶かして半分(50mL)飲む!
このイメージです!
①と②を比べると②の方が塩が2倍入っておりますが、②は飲む量が半分のため体に入ってくる塩は①②どちらも1gですよね!
②の方が飲んだ時の味が濃く体内に入る水分量も変わってくるため、血圧への影響は変わってくると考えられます!
なので、あくまでもイメージするための極論として考えていただけると助かります…!
EXテープ、Sテープどちらも使用方法は1日1回です!
濃度はEXテープの方が濃いですが、24時間ロキソプロフェンが持続して吸収されることを考えると、EXテープ、Sテープどちらも56.7mgで同量のため大きな違いはないと私は考えております!
ロキソニンEXテープは既存の製品より優れているのか?
あくまでも私個人の考えですが、メイン成分であるロキソプロフェンの含有量が変わらないためEXテープが特別優れているわけではないと考えております!
ただ、成分として追加されたl-メントールによる冷感刺激による痛みの緩和やトコフェロール(ビタミンE)による血行促進作用はあるため、テープを使用している感は増すと考えられます!
※ロキソニンSテープ、医療用のロキソニンテープにも添加物としてl-メントールは含まれています。
最後に
というわけで、今回は2022.4に新発売されたロキソニンEXテープと既存のロキソニンテープの比較を紹介しました!
初めて製品を見たときは「ロキソプロフェンナトリウム水和物をシリーズ史上最高濃度8.1%配合」という文言を見て「ついに医療用のロキソニンテープの上位互換が市販薬で出たのか?」とワクワクしたのですが、よく調べてみると大きな違いはなさそうで若干しょんぼりしてしまいました…!
とはいえ従来のテープと比べてより効いている感じを求める方には自信をもって紹介できる製品ではあるため、市販薬の選択肢が増えることは嬉しいですね!
ロキソニンシリーズの記事は下記にもまとめております!
>>ロキソニンパップ・テープは何枚まで貼れる?血中移行性をメーカーに確認
>>ロキソニンSプレミアムファインは既存品と比べて強い?違いは?眠気はあるの?
>>ロキソニンSクイック!既存のロキソニンSシリーズの特徴と違い