こんにちは!
くくたる(twitterはコチラ)です!
【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年
【漢方薬・ハーブの資格】
●国際中医師
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
※国際中医師は医師免許ではありません。
この記事では葛根湯と独活葛根湯の違いを生薬の量や内容を比較して紹介します!
肩こりに葛根湯が使えることはご存知の方が多いと思いますが、独活葛根湯と比較してどう違うのかについてはいかがでしょうか?
葛根湯や独活葛根湯は項背部(肩~首筋)の寒気や筋肉の緊張を和らげるため、どちらも肩こりに使用されます!
葛根湯と独活葛根湯の生薬の違いを理解することで、自信をもって薬を選ぶことができるようになりますので最後まで見ていただけると幸いです!
※文字が苦手な方向けに動画でも紹介しています!
葛根湯と独活葛根湯の生薬構成比較
生薬量は「PHARMA CHOICE 葛根湯エキス[顆粒]S」「独活葛根湯エキス錠クラシエ」の情報を参考に記載しております!
※市販薬によって微妙に配合量が異なる場合があります。
ポイントは「麻黄と生姜の配合量」と「独活と地黄の有無」です!
肩こりの原因は?
肩こりの原因は第一三共のHPにわかりやすくまとめられていたため引用します!
人間は二足歩行をするために、もともと首や腰に負担がかかりやすい体をしています。首から肩にかけての筋肉が姿勢を保つために緊張し、血行が悪くなって、重く感じるのが肩こりです。
肩こりの症状・原因|くすりと健康の情報局
肩こりを引き起こす主な要因としては、筋肉疲労と血行不良、末梢神経の傷などが挙げられます。それらの要因が単独、または、互いに関連し合いながら肩こりを引き起こします。
①筋肉の緊張・疲労
②血行不良
③末梢神経の傷
ここがポイントです!
葛根湯・独活葛根湯がどのように改善するかをまとめます!
肩こり、腰痛、眼精疲労に使用するビタミン剤の使い分けは下記記事にまとめています!
葛根湯(かっこんとう)とは?
葛根湯の構成生薬
麻黄(マオウ)、桂枝(ケイシ)、葛根(カッコン)、芍薬(シャクヤク)、生姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)
葛根湯の生薬の特徴(独活葛根湯との比較)
●麻黄と生姜の含有量が独活葛根湯よりも多いため温める作用が強い!
温めることで項背部(肩~首筋)の血行改善が期待できます!
●葛根や芍薬が項背部(肩~首筋)の筋肉の緊張を和らげます!
葛根湯は温めて発汗させることがメインの仕事です!
葛根が発汗による水分不足を起こさないようにフォローをしますが、長期的に服用を続けるのは不向きだと考えられます!
葛根湯の効能・効果(市販薬)
体力中等度以上のものの次の諸症:感冒の初期(汗をかいていないもの),鼻かぜ,鼻炎,頭痛,肩こり,筋肉痛,手や肩の痛み
独活葛根湯(どっかつかっこんとう)とは?
独活葛根湯の構成生薬
麻黄(マオウ)、桂枝(ケイシ)、葛根(カッコン)、芍薬(シャクヤク)、生姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、独活(ドッカツ)、地黄(ジオウ)
葛根湯に独活と地黄がプラス配合された処方構成です!
独活葛根湯の生薬の特徴
●独活は止痛・袪風湿作用のある生薬!
袪風湿は風邪(ふうじゃ)と湿邪を取り除く作用で、シンプルに表現すると水分が溜まることによる肩や腕の重だるさ・しびれ・痛みを取り除きます!
●地黄は養血滋陰作用のある生薬!
養血作用により筋肉に栄養を与え、栄養不足による重だるい痛みを改善します!
●麻黄と生姜の配合量が葛根湯に比べて少ないため温めすぎない!
肩こりにおいては温めて血行を改善させることは大切です!
しかし、温める状況が続くと水分が不足する可能性があるため、継続しやすい処方構成になっています!
独活葛根湯の効能・効果(市販薬)
体力中等度又はやや虚弱なものの次の諸症:四十肩、五十肩、寝ちがえ、肩こり
最後に
というわけで、今回は葛根湯と独活葛根湯の処方比較を紹介しました!
店頭では葛根湯と独活葛根湯を比較して紹介することは今のところないのですが、知識を持っておくだけで自信をもって紹介できるようになりますので無駄な知識ではないと思います!
ちなみに私は「独活葛根湯は温めて血行を良くする作用・筋肉の緊張を和らげる作用・重だるい痛みを改善する作用があります!」とシンプルな表現を心がけてお客様には紹介しています!
万が一突っ込まれた時も、それぞれの生薬がどのような働きがあるかがわかっていれば根拠を持った紹介に繋がります!