
こんにちは!
くくたる(twitterはコチラ)です!
【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年
【ハーブ・アロマの資格】
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
●アロマテラピー検定1、2級
●国際中医師
※国際中医師は医師免許ではありません。
今回は、膀胱炎や尿道炎、尿臭の改善が期待できるメディカルハーブである、クランベリーについて、機序や考察を含めて紹介したいと思います!
膀胱炎や尿道炎については市販薬では漢方薬、処方せん薬では抗生物質がありますが、尿臭を改善する物はなかなかないと思うので、尿臭の相談をされた時の選択肢の1つとして覚えておくと良いかもしれません!
クランベリーの基礎情報
学名︰Vaccinium macrocarpon、Vaccinium oxycoccos
科名︰ツツジ科
使用部位︰果実
クランベリーの主要成分
植物酸(キナ酸、クエン酸、リンゴ酸)
プロアントシアニジン
果糖
ビタミンC
キナ酸が肝臓で代謝を受けて馬尿酸となり、尿として排泄されます!
この馬尿酸により尿が酸性化して大腸菌などが住みにくい環境となることで膀胱炎などを和らげると考えられております!
※馬尿酸のpKa:3.62(25度)
※尿のアンモニア臭の軽減も期待できるようです
クランベリーの作用と適応
作用︰尿の酸性化や尿路への細菌の付着抑制
適応︰膀胱炎、尿道炎、尿臭(アンモニア臭)
尿路感染症に対する有効性が示されているという報告もあれば、ばらつきがあるとの報告もあるため、症状が出ている場合には薬で治療をするようにしてください!
また、尿路感染症の再発予防についての有効性も検討されているため、予防的な使用をするのは良いかもしれません!
参考リンクを下記に載せておきます!
Reduction of bacteriuria and pyuria after ingestion of cranberry juice – PubMed
クランベリーの安全性・相互作用について
安全性:クラス1(適切に使用すれば安全)
相互作用:クラスA(相互作用が予測されない・起こると考えられていない)
その他安全性情報
ワーファリンとクランベリーの相互作用についても、厚生労働省のe-ヘルスネットより情報が出ているので引用します!
ワルファリン服用中、クランベリージュース飲用で薬効の増強が認められ、消化管出血による死亡例が報告されています。ワルファリンを代謝する代謝酵素(CYP2C9)をクランベリージュース成分が阻害、薬効が増強されたためと考えられています。
食物と薬の相互作用(健康食品編) | e-ヘルスネット(厚生労働省)
ちなみにJAMHAでは安全性も相互作用も問題ないとされておりますが、個人的には高尿酸血症(痛風)の人は服用しない方がいいと考えております!
酸性尿(一般にpH5.5以下)となることで尿酸結石ができやすくなるためですね!
また、クランベリーにはシュウ酸が多く含まれているため、腎臓結石のリスクが高まるという報告もあるため併せて注意が必要だと考えております!
クランベリーの服用方法について
クランベリーはかなり酸っぱくてそのままでは飲みにくいです!
お店にあるクランベリージュースは砂糖が多量に混ざっている場合が多いので注意が必要です!
仮に血糖値が高く尿に糖が混ざった場合には、細菌感染を起こしやすくなります!
また、単純に血糖値も上がるリスクがあるためです!
なので、メディカルハーブとしての服用はカプセル剤やパウダー剤(粉末剤)が主流となっています!
最後に
というわけで、今回はメディカルハーブの1つであるクランベリーについての紹介でした!
尿を酸性にするというシンプルな機序のため比較的覚えやすいメディカルハーブだと思います!
膀胱炎や尿道炎は、市販薬で対応する場合には基本的には漢方薬の紹介になると思います!
※抗生物質の飲み薬は市販にないため
その時に+αで紹介をしてみるのはありかなと思っております!
また、尿臭を改善する物はなかなかないので、その相談をされた時の選択肢の1つとして良さそうですね!
※注意点に書いたように、高尿酸血症の方の場合には尿酸の析出を手伝ってしまう可能性があるので止めた方が良いと思います。ワーファリン服用中の方も注意が必要なので、併用薬は漏れなく確認できるようにしておきたいですね!
