こんにちは!
くくたる(twitterはコチラ)です!
【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年
【ハーブ・アロマの資格】
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
●アロマテラピー検定1、2級
●国際中医師
※国際中医師は医師免許ではありません。
ノコギリヤシのサプリメントを前立腺肥大などの排尿障害の方が服用しているケースは、薬局や病院で働いていると多々ありますよね…?
「そもそも本当に効くの?」とか「飲み合わせに何か影響があったら怖いからやめておいた方が…」など、様々な考えがあると思うので、今回はノコギリヤシ(ソウパルメット)の構造や作用、安全性などについて紹介します!
ソウパルメット(ノコギリヤシ)の基礎情報
学名:Serenoa repens
科名:ヤシ科
使用部位:果実
使用方法:カプセル剤(ハーブティーではない)
ソウパルメット(ノコギリヤシ)の主要成分
フィトステロール(β-シトステロール、スティグマステロール)
脂肪酸(オレイン酸、リノール酸)
精油
フラボノイド
作用と適応
作用:酵素阻害、消炎、利尿
適応:良性前立腺肥大、排尿障害
私が講師から教えていただいたのは、前立腺肥大の中でも夜間頻尿や軽度残尿感などの軽度な状況に対しての使用でした!
すでに病院で治療されている場合については、医師の治療方針があるため、必ず確認をしてから使用していただくように注意した方がいいと思います!
安全性・相互作用について
安全性:クラス1(適切に使用すれば安全)
相互作用:クラスA(相互作用が予測されない・起こると考えられていない)
※主に男性のみに使用されるハーブです!
スティグマステロールとβ-シトステロールの構造の比較・考察
それぞれの構造式です!
植物性ステロイドなので、もちろんステロイド骨格はあり、17位の置換基も比較的大きめな感じがします!
構造式の考察は下記の記事でまとめています!
テストステロンと似ている構造を持ち、テストステロンの代わりに5α-還元酵素が標的とするためジヒドロテストステロンの産生量を抑えると考えられています!
被験者は少ないですが前立腺肥大症に対するβ-シトステロールの臨床研究がありましたので下記に紹介します!
Kyoto University Research Information Repository: 前立腺肥大症に対する植物ステロール(β-シトステロール)の臨床的効果 : 予備的臨床研究
どんな人に勧めるか?
①前立腺肥大の初期症状(夜間頻尿、軽度残尿感)と診断されているが無治療で経過観察の人
②前立腺肥大と診断はされていないが、高齢者で頻尿や残尿感の改善を食生活で改善したい人
③前立腺肥大の治療中だがサプリメントなど使用していい状況で、5α-還元酵素阻害薬を使用していない人
このあたりの方であれば、+αの養生法として紹介できるのではないかと思います!
ただ注意点として、ノコギリヤシ(ソウパルメット)はPSAの値を下げてしまう可能性が指摘されています!
前立腺がんの診断に影響を与えないよう、使っているサプリメントはしっかりと医師に伝えられる状況にしておく必要があると思います!
最後に
というわけで、今回はノコギリヤシ(ソウパルメット)の前立腺肥大などの夜間頻尿、残尿感などに対する効果の考察を、構造式から行いました!
論文を探そうとしているうちに、前立腺肥大だけでなく脱毛に対する作用の考察も出てきていたので、信頼できそうな論文を探して、改めて紹介もしていきたいと考えております!
信憑性のない話をしてしまわぬよう、入念に準備もしていかないとと思います! 少しでも多くの方にハーブの可能性を伝えていければと考えております!