こんにちは!
くくたる(twitterはコチラ)です!
【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年
【その他資格】
●国際中医師
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
※国際中医師は医師免許ではありません。
皆様は5-ALA(5-アミノレブリン酸)という成分を聞いたことがあるでしょうか?
私はアラプラス糖ダウンという機能性表示食品を勤務先で見るまで知りませんでした…。
アラプラス糖ダウンには「5-アミノレブリン酸リン酸塩を含み、高めの空腹時血糖値を正常に近づけることをサポートし、 食後血糖値の上昇を穏やかにする機能があります。血糖値が高めの方に適しています。」と記載されているため、今回はその作用機序の考察をしていきたいと思います。
5-ALA(5-アミノレブリン酸)とは?
人や動物ではヘムの構成要素、植物ではクロロフィルの構成要素となる成分で、タンパク質を構成しない天然のδ型アミノ酸と定義されております。
※ヘム鉄は鉄が配位、クロロフィルはマグネシウムが配位。
5-ALAからプロトポルフィリン(ヘムやクロロフィルの原料)になるまでを、構造式を用いて記載します。
※5-ALA生合成は、ヘム生合成の律速段階と考えられております。
5-ALA(5-アミノレブリン酸)からの代謝
5-ALA(5-アミノレブリン酸)
ポルフィビリノーゲン(5-ALA×2)
2つの5-ALAが脱水縮合したものですね!
ごちゃごちゃしてるので、下に番号をつけたものを載せます。
少しは見やすくなったでしょうか?
プロトポルフィリンIX(ポルフォビリノーゲン×4)
プロトポルフィリンIXは、ヒトなどの動物では鉄が配位されてヘムとなり、ヘモグロビンやシトクロム、P450、カタラーゼなどのヘムタンパクを構成します。
まとめ
①5-ALAからシトクロムcが作られていると考えられます。
②シトクロムcは、ミトコンドリア内でのATP産生に関与しているため、代謝を上げると考えられております。
ミトコンドリアと電子伝達系とATP産生の図
ミトコンドリア内の図です。
国家試験の時にまとめたものなので、必要ない部分も多々ありますが載せてしまいました。
※クエン酸回路は糖質の代謝、β酸化は脂質の代謝で利用されます。
電子伝達系酵素複合体について
複合体Ⅰ:NADHの酸化+ユビデカレノン(CoQ10)の還元によりユビキノール(還元型CoQ10)産生
複合体Ⅱ:コハク酸からフマル酸への酸化+ユビデカレノン(CoQ10)の還元によりユビキノール(還元型CoQ10)産生
複合体Ⅲ:ユビキノール(還元型CoQ10)からシトクロムcに電子を伝達(電子を渡す=酸化)
複合体Ⅳ:還元型シトクロムcから酸素原子に電子を伝達(シトクロムcの酸化、酸素原子の還元)
まとめ
複合体Ⅲ、複合体Ⅳでシトクロムcが関与しATP生成を行うため、シトクロムcはATP産生(代謝アップ)に重要と考えられております。
5-ALA生合成は、ヘム生合成の律速段階と考えられております。なので、直接5-ALAを摂取することがヘム生合成の手助けとなると考えられております。
アラプラス 糖ダウンについて
①アラプラス糖ダウンは機能性表示食品である
「5-アミノレブリン酸リン酸塩を含み、高めの空腹時血糖値を正常に近づけることをサポートし、 食後血糖値の上昇を穏やかにする機能があります。血糖値が高めの方に適しています。」と記載されております。
②3ケ月で血糖値が下がったという臨床試験データあり
「血糖値が高めの方212名を対象とした臨床試験では3か月間糖ダウンをお飲みいただき効果を確認しています。」と記載あり。
※75mg 2h-OGTTが200mg/dL以上の被験者と記載あり。
※食後血糖値の変化量は参考になるのかわからないざっくりとしたグラフなので、このブログでは紹介しません。
①②より、アラプラス糖ダウンをオススメできる人は?
●糖尿病予備軍などで血糖値を食事や運動で改善するように健康診断などで指摘のあった方
●健康を考えて血糖値を下げたいと考えている方
このような方にオススメできると私は考えております!
服用を考えている方への注意
①現時点で糖尿病治療中の方
②薬や食べ物による副作用やアレルギーの経験がある方
上記に当てはまる方は、医師や薬剤師に相談した上で使用の判断を行うようにしてください。
参考文献
最後に
というわけで、今回は5-ALA(5-アミノレブリン酸)についての考察記事となりました!
先日、コエンザイムQ10に関する記事を書いたため、シトクロムcと関係する部分についても記載することにしました(今回は商品紹介の色が濃い目になってしまったかもしれませんが…)。
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