こんにちは!
くくたる(twitterはコチラ)です!
【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年
【その他資格】
●国際中医師
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
※国際中医師は医師免許ではありません。
今回は店頭でそこそこの頻度で聞かれる「市販薬のロキソニンSと病院で処方されるロキソニンは同じものか?」について紹介します!
医療従事者(特に市販薬を扱う薬局)の方からするとあるあるな話かもしれませんね!
ロキソニンSと病院のロキソニンは同じ?
結論から書くと成分や分量、効き目については全く同じです!
※ロキソプロフェンNa 60mg含まれております。
しかし、薬の使用方法が異なる場合があります!
中身は一緒ですが、使い方は一部違いますという意味ですね!
ロキソニンの添付文書(説明書)の効能・効果
ロキソニンSの効能・効果
○頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛
○悪寒・発熱時の解熱
病院薬のロキソニンの効能・効果
○下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛
○手術後、外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎
○下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
市販のロキソニンSは月経痛(生理痛)にも適応がありますね!
また、広い意味では関節痛に含まれるので市販のロキソニンSも使えると思いますが、病院用のロキソニンは関節リウマチや変形性関節症に使用できますね!
この辺の話については、下記の服用期間の違いでもう少し触れます!
使用上の注意と服用期間の違い
すべて大切なことが書かれているのですが、赤線で引いた部分は特にうっかりしやすいのではないかと個人的に感じているところです!
使用上の注意
ロキソニンは、ある種の喘息の方が使用すると発作が出てしまうことがあったり、胃・十二指腸潰瘍治療中の方が使用すると胃の防御に関わる粘膜が少なくなり悪化する恐れがあったりします!
市販薬ではありますが、薬であるため副作用の危険が全くないわけではございません!
※ある種の喘息=アスピリン喘息
以前私が接客した方で「潰瘍は今治療中だけど(ロキソニン服用しても)大丈夫!」とおっしゃる方がいらっしゃいました!
いったい何が大丈夫なのでしょうか?
「治療中に飲んだけど副作用もなく平気だった!」という意味だったのでしょうか…?
この時のお客様には丁寧に説明して販売を断り、病院に行っていただくように伝えました!
胃潰瘍治療中の方にロキソニン(悪化する可能性がある薬)を販売することは、安全ピンが外れた手榴弾(いつ爆発するかわからない物)を「今のところ爆発してないから大丈夫ですよ」と言って販売するイメージですね…!
服用期間の注意
もう1つ気をつけておきたいのが「長期連続して服用しないで下さい」の注意です!
「長期ってどのくらい?」という疑問が浮かびますが、メーカー回答で3~5日以上となっています!
これについては大きく分けて2つの理由があると考えております!
①ちょっとした痛みや熱なら3~5日以内に良くなることが多いため、それ以上の期間症状がある場合には何か別の原因などが潜んでいる可能性もあり、病院でしっかり検査などをしていただきたいためです!
②ロキソニンを長期的に服用すると、腎臓の血流が低下するため腎臓や心臓の負担になることや、肝機能の数値が上がったりする可能性があるためです!
こういった理由があるため、関節リウマチや変形性関節症などの治療中の方は、次の受診まで間に合わないなどの理由でない限りは説明をして病院に行っていただくように私はしております!
ちなみに、病院で処方されて連続してロキソニンを飲んでいる方は過度に不安に思わないで下さい! 医師が血液検査などで腎臓や肝臓などの数値も判断した上での状況だと考えられます!
服用期間の注意は、あくまでも市販で買って服用する上での注意です!
私たち薬剤師は、肝臓や腎臓の数値を検査したりできる状況ではないため、この点はご理解いただきたいです!
最後に
というわけで、今回は市販と病院のロキソニンの共通点と違いについて紹介しました!
今回の記事を動画で観る・聴く場合はコチラ!※Youtubeにリンクします!
市販薬なので代理の方が買いに来られる場合もあると思いますが、現在使用中の薬や過去の病歴などを確認できる状況でご来店いただけると本当に助かります!
また、病院でロキソニンを貰って継続治療されている方の場合は、あらかじめ医師に「症状が安定していたら市販薬で済ませてもいいか?」など確認を取っておいてもらえると本当に助かります!
病院に行くのがめんどくさいとか、待つのが嫌ということもわかりますが、市販で継続していたらいつの間にか腎臓や心臓、肝臓に負担がかかっていたなんてことになると大変です…。
コメント