こんにちは!
くくたる(twitterはコチラ)です!
【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年
【ハーブ・アロマの資格】
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
●アロマテラピー検定1、2級
●国際中医師
※国際中医師は医師免許ではありません。
月経前症候群(PMS)治療薬として第2類医薬品で販売されているプレフェミンはご存じでしょうか?
メディカルハーブの1つであるチェストベリー乾燥エキスが成分となっており、日本では珍しい西洋ハーブの医薬品です!
プレフェミンの発売元であるゼリア新薬のHPでは、1~3周期プレフェミンを服用した場合の各症状の改善率(臨床試験結果の%)が掲載されており、約90%の方が改善したという評価がされております。
そんなプレフェミンですが、メーカーサイトを見てもいまいち薬理作用機序についての記載はないと思います。
※私が見つけられていないだけかもしれません。
なので今回は、チェストベリーのメディカルハーブとしての情報やプレフェミン服用時の注意などを紹介する記事となります。
チェストベリーの基礎情報
学名:Vitex agnus castus
科名:シソ科(クマツヅラ科)
使用部位:果実
チェストベリーの主要成分
イリドイド配糖体:アウクビン、アグヌシド
フラボノイド:カスティシン
フラボノイド配糖体:ビテキシン
精油:1,8-シネオールなど
チェストベリーの作用と適応
作用:ホルモン分泌調整作用
適応:月経痛・月経前症候群・生理不順
※あくまでもメディカルハーブとしての情報です。
※プレフェミンについては月経前の諸症状のみの適応な点に注意です!
メディカルハーブ安全性ハンドブック(第二版)での薬理作用の記載の引用
①チェストツリーの化合物は、心臓、血管系、骨、膀胱におけるエストロゲン受容体β(ERβ)へ結合することが報告されている。
②チェストツリー抽出物を投与したラットにおけるプロラクチン分泌の減少が報告された。高濃度では、チェストツリーは下垂体のドパミン(D2)受容体に対する作用を有する。
メディカルハーブの事典での記載の引用
①脳下垂体に直接作用し、黄体形成ホルモン(LH)の分泌を増加させ、卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を抑制します。
チェストベリーの安全性・相互作用について
安全性:クラス1(適切に使用すれば安全)。
相互作用:クラスA(相互作用が予測されない・起こると考えられていない)
※あくまでもメディカルハーブとしての情報です!
※プレフェミンについては注意事項があります!
他の安全性・相互作用について(PMID:21213356)
試験管内の試験では、チェストベリーがCYP2C19とCYP3A4を阻害したとの報告があります!
総合すると、相互作用はクラスAに分類されているため可能性は低いと考えられますが、ドパミンD2受容体に関わる薬や女性ホルモン作用に影響をする薬など、何かしら薬を使用している場合には念のため注意が必要と考えられます!
メディカルハーブのチェストベリーの服用方法について
1日0.03~0.04g(30~40mg)相当を服用する。
プレフェミンの症状改善データの引用
公式サイトのデータを引用しています。
【国内臨床試験の改善結果】
月経1周期目:64.2%
月経2周期目:80.6%
月経3周期目:91.0%
ちなみに3周期分服用した場合、中止後に症状が戻ったとしても服用開始前より改善が見込めると、海外臨床試験で結果が出ているそうです。
3周期目以降も服用を継続したい場合は、定期的に医師に相談するようにと注意事項の記載があります。
3周期服用で約9割の方が改善が見込めるとされております。
逆を言えば、3周期服用した後も続けたいほど症状が出ている場合にはPMSの程度が強い可能性があったり、何か別の原因が考えられるので受診していただく必要があると私は考えております。
※サイト内にあるINFOMATION→①プレフェミンの効果、②続けて飲んで症状を改善しようを参考にしております。
プレフェミンの注意事項
使用していけないこと
授乳中の人、チェストベリーでアレルギー症状を起こしたことがある人とされております!
また、プレフェミンを服用している間はチェストベリーを含む食品は摂取しないようにしてください!
注意点は本当に大切なので、服用前・服薬指導時は添付文書をよく確認をするようにしてください!
相談することの項目(一部抜粋)
①漢方製剤を服用している人
②次の診断を受けた人。うつ病
③月経周期に関係なく乳房のはり、しこりがある人
④月経不順の人
⑤症状の改善がみられても3ヶ月を超えて続けて服用する場合は、定期的に医師に相談してください
⑥1か月程度使用しても症状が良くならない場合には服用を中止し、医師や薬剤師に相談すること。
その他の注意の項目(一部抜粋)
①服用を開始した際に、月経前の諸症状がより強く現れる場合がまれにあります。
私は今までプレフェミンを紹介した人の中で1例だけ経験があります。不安感が強まり、理由もないのに涙が出てくると訴えがありました。
その方は服用を中止していただいたことでそういった症状はなくなりましたが、まれにあるということは頭に入れておいた方が良いと思います。
参考文献
メディカルハーブ安全性ハンドブック(第二版)
メディカルハーブの事典
プレフェミン公式ページ
PubMed
最後に
というわけで、今回はチェストベリー(チェストツリー)のメディカルハーブとしての情報と、チェストベリーの医薬品であるプレフェミンの注意事項についての紹介記事でした。
この記事を記載するにあたり2~3日かかっているのですが、その間の業務中に計2件プレフェミンに関する相談を受けました。
私の勤務地だけかもしれませんが、薬局へ相談に来る方はそれなりにいらっしゃると思うので、聞かれた時にしっかり答えられるよう準備しておきたいですね!
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