2020.09.21更新(表を一部修正)
こんにちは!
くくたる(twitterはコチラ)です!
【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年
【その他資格】
●国際中医師
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
※国際中医師は医師免許ではありません。
今回はセフェム系の第二弾! グラム陽性菌の一覧です!
グラム陽性菌の中でも、ブドウ球菌・レンサ球菌の比較については第一弾でまとめております! 是非合わせて見ていただくことをオススメします!
[quads id=2]
セフェム系は時間依存性(Time above MIC)
時間依存性の抗生物質は、MIC以上の濃度で存在できる時間が長いほど効果が高いと考えられておりますね!
※Time above MICの考え方については、下記記事にまとめております!
[quads id=2]
セフェム系内服薬一覧
セフェム系内服薬一覧の見方
①MICを確認する!
②薬剤のCmaxと半減期(T1/2)より、MIC以上の濃度でだいたいどの位の時間作用するか予測する!
※各薬剤のインタビューフォームに記載あるMICの情報と、オラセフとバナンについては抗菌薬インターネットブックのMICを参考にしております。
グラム陽性菌(ブドウ球菌・レンサ球菌以外)
※画像クリックで拡大表示されます。
※赤字が添付文書上の適応菌種
数が多くなってしまい、見にくい点は申し訳ないです!
ざっくり全体を見渡すと、
●ケフレックス(セファレキシン)、オラセフ(セフロキシム)はエンテロコッカス属(腸球菌属)に適応があるが、少なくともフェカリス菌には効果が期待できない点!
●第二世代はペプトストレプトコッカス属に適応がある点!
●第三世代はペプトストレプトコッカス属に加え、アクネ菌にも適応がある薬剤がある点!
このあたりが比較ポイントになるでしょうか!
また、第三世代セフェムはクロストリジウム・ディフィシルによるクロストリジウム腸炎の原因となる可能性がある点も注意が必要ですね! こちらはグラム陰性菌の比較記事で改めて紹介したいと思います。
[quads id=2]
参考文献
各薬剤のインタビューフォーム
抗菌薬インターネットブック
抗菌薬の考え方、使い方 ver.4 魔弾よ、ふたたび…
タイトルだけ見ると「魔弾よ、ふたたび…」などちょっとふざけた感じがしてしまいますが、医師の使用感などが話言葉で書かれていて、とても読みやすく勉強になる本でした!
セフェム系でいうなら注射薬の情報が多いですが、内服薬についても触れられているため非常に参考になりました!
薬がみえる vol.3
病気がみえる、薬がみえるなど、有名なシリーズですね!
「薬剤の情報」はもちろんですが、「菌の種類の情報」や「呼吸器感染症など疾患別の情報」もあるため、抗生物質の勉強に苦手意識のある私も読みやすかったです!
最後に
というわけで、今回は時間依存性であるセフェム系内服薬のグラム陽性菌(ブドウ球菌、レンサ球菌以外)に対するMIC一覧の紹介でした。
セフェム系はブドウ球菌とレンサ球菌にどの程度効果を示すかが重要だと思っているので、今回の比較で書いたようなぺプトストレプトコッカス属やアクネ菌に対しての適応があったとして、使う場面があるのかは疑問に思うところです。
アクネ菌はニキビで有名だと思いますが、それに対してセフェム系が処方されること、ほぼないと思うんですよね! 使う場面があったら私の知識不足です。
次回紹介予定のグラム陰性菌についてのセフェム系の比較は、第一世代~第三世代の違いでよく話題になる部分なので、重要な部分と考えております!
コメント