こんにちは!
くくたる(twitterはコチラ)です!
【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年
【漢方薬・ハーブの資格】
●国際中医師
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
※国際中医師は医師免許ではありません。
前回は【第04回】血(けつ)の作用について紹介しました!
血は栄養を与える作用があり、精神活動にも影響しておりましたね!
今回はそんな血の異常である血瘀と血虚についてと、それぞれに使用する馴染みのある漢方薬の紹介をしていきたいと思います!
血瘀(けつお)・瘀血(おけつ)とは?
血が滞る(とどこおる)ことです!
血が滞るとどうなるか?
肌のくすみ、色素沈着、ニキビ、肩こりなどの痛み、生理痛、生理時に血がドロッとしたり塊が出るなどが起こります!
血(けつ)は栄養をする物質だと伝えておりましたが、栄養を乗せて運んだり老廃物を運び出すのは血液なので、血行不良を想像するとイメージしやすくなると思います!
気滞でも肩こりなどの痛みを生じますが、血行不良でも同じく生じます!
また、血瘀の原因が気滞からくることもあります!
女性の場合、生理前にニキビが出来たり、刺すような痛み(強い痛み)が現れる場合には血瘀の可能性があります!
血虚(けっきょ)とは?
血(けつ)が足りていないことです!
血が足りないとどうなるか?
顔色が青白い(悪い)、痩せる、貧血、動悸、不眠、不安、目のかすみ、爪の変形、(皮膚の乾燥)、生理の量が少なくなる、生理が遅れる、足(筋肉)がつるなどが起こります!
貧血で起こる症状と、栄養が足りない→痩せる、筋肉がつるなどの肉体的な症状は想像しやすいと思います!
【血の作用(第4回)】で紹介したように、精神活動の低下=栄養が足りないため判断力低下、不安感、睡眠が浅くなるなどの症状も忘れないようにしたいですね!
女性の場合、血液が足りないことで生理を正常に行いたくても行えずに遅れたり、生理が来た後に鈍い痛みが続く場合もあります。過度なダイエットをして血が足りない方は注意です!
血瘀・血虚のイメージ図
①正常な血:血が充実しており、正常に流れているため栄養を与え、老廃物も運べます!
②血瘀:血の流れが滞るため、老廃物が溜まったり、栄養が届きにくくなります!
③血虚:血の量が少ないため、流れは正常ですが必要分の栄養が届けられない状態です!
血瘀・血虚で使う漢方薬の一例を紹介
【気滞・気虚(第3回)】の時と同様、本来は五臓六腑の状況や他の訴えなども含めて判断します!
「血瘀=〇〇という漢方薬」「血虚=〇〇という漢方薬」と必ずなるわけではございませんのでご了承下さい!
血瘀で使う漢方薬の一例
【桂枝茯苓丸】
婦人系の漢方薬として処方されることの多い薬の1つですね!
日本漢方だと体力が充実して~みたいに書かれておりますが、血虚のようにやせ型ではない方で、生理前の症状が辛い場合やシミ・くすみなどが目立つ場合に使われることが多いと思います!
漢方の勉強を始めると、この辺の使い分けが理解できるようになってくるので、服薬指導を自信をもって行えるようになります!
血瘀と水滞が同時にある場合には、桂枝茯苓丸加ヨクイニンが使われたりもします!
血虚で使う漢方薬の一例
【四物湯】
【当帰芍薬散】
顔が青白くなったり、生理が遅れたりの症状が出るような血虚のみの症状の場合には四物湯!
血虚の症状+むくみや頭重感などの水分の滞りも発生している場合には当帰芍薬散が選ばれることが多いかと思います!
最後に
次回は【第06回】津液と精について紹介します!
前回は【第04回】血(けつ)の作用について紹介しました!
血に関わる症状は女性疾患で多いためその話がメインになってしまいましたが、血が足りないこと=痩せ型である点や、皮膚の色が悪くなったり乾燥傾向が出たりなどの症状も血虚から現れます!
症状の判断がしにくい場合には「答えにくければ大丈夫なので、女性特有の周期が体質を考えるうえで重要なので、聞いてもいいでしょうか?」などと枕詞を使いながらお話を伺うこともあります!
皮膚が乾燥しているか? 体重が減ってしまってはいないか? なども血虚を判断するうえで聞くことがありますね!
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