こんにちは!
くくたる(twitterはコチラ)です!
【薬剤師歴11年目】
●フリーランス薬剤師
●管理薬剤師歴:調剤3年、OTC1年目
●1人薬剤師歴(調剤):2年
【その他資格】
●国際中医師
●ハーバルセラピスト
●シニアハーバルセラピスト
※国際中医師は医師免許ではありません。
●クレストール(ロスバスタチン)
●アレグラ(フェキソフェナジン)
両薬剤の併用注意薬である「制酸剤:水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウム」についての疑問を製薬会社に問い合わせて回答をいただけたため記載します!
- 併用注意の疑問点
- クレストール(ロスバスタチン)の回答
- アレグラ(フェキソフェナジン)の回答
- クレストール(ロスバスタチン)の添付文書抜粋
- アレグラ(フェキソフェナジン)の添付文書抜粋
- マグミット(酸化マグネシウム)の添付文書抜粋
- 乾燥水酸化アルミニウムゲル(数社分)の添付文書抜粋
- 硫酸マグネシウム(数社分)の添付文書抜粋
- アイスフラット懸濁用配合顆粒(乾燥水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム)の添付文書抜粋
- アシドレス配合内服液(水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム)の添付文書抜粋
- コランチル顆粒(乾燥水酸化アルミニウムゲル・酸化マグネシウム)の添付文書抜粋
- 服用方法などについて考察
- 参考文献(PMDA)
- 最後に
併用注意の疑問点
水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウムが2つとも含有されていると吸収阻害が起こるのか?
例えば酸化マグネシウムのみでも吸収阻害が起こる可能性があるのか?という疑問です!
クレストール(ロスバスタチン)の回答
水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムそれぞれ単一での試験は行っていない。
酸化マグネシウム単剤であっても、吸収阻害のおそれがあるため、酸化マグネシウムの添付文書にも記載している。
アルミニウムについては添付文書記載なし。
アレグラ(フェキソフェナジン)の回答
水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムそれぞれ単一での試験は行っていない。
酸化マグネシウム単剤でのアレグラの吸収阻害があったとの報告はない。
アルミニウムについても単剤での吸収阻害の報告はない。
ここまでは製薬会社からの回答です!
今度はそれぞれの添付文書の内容を確認していきます!
クレストール(ロスバスタチン)の添付文書抜粋
【水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤】
本剤の血中濃度が約50%に低下することが報告されている。
本剤投与後2時間経過後に制酸剤を投与した場合には、本剤の血中濃度は非併用時の約80%であった。
機序不明
アレグラ(フェキソフェナジン)の添付文書抜粋
【水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤】
フェキソフェナジンのAUC0-30及びCmaxはフェキソフェナジン塩酸塩単独投与時の約40%減少した(外国人データ)。
これは水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウムがフェキソフェナジンを一時的に吸着することにより吸収量が減少することによるものと推定された。
マグミット(酸化マグネシウム)の添付文書抜粋
【フェキソフェナジン】
これらの薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、服用間隔をあけるなど注意すること。
マグネシウムの吸着作用又は消化管内・体液のpH上昇によると考えられる。
【ロスバスタチン】
これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。機序不明。
乾燥水酸化アルミニウムゲル(数社分)の添付文書抜粋
フェキソフェナジン、ロスバスタチンともに記載なし。
硫酸マグネシウム(数社分)の添付文書抜粋
フェキソフェナジン、ロスバスタチンともに記載なし。
アイスフラット懸濁用配合顆粒(乾燥水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム)の添付文書抜粋
【フェキソフェナジン】
これらの併用薬剤の効果を減弱させることがあるので、同時に服用させないなど慎重に投与すること。
消化管内で本剤と吸着することにより、これらの薬剤の吸収が阻害されると考えられる。
【ロスバスタチン】
記載なし。
アシドレス配合内服液(水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム)の添付文書抜粋
【フェキソフェナジン】
これらの併用薬剤の効果を減弱させることがあるので、同時に服用させないなど慎重に投与すること。
消化管内で本剤と吸着することにより、これらの薬剤の吸収が阻害されると考えられる。
【ロスバスタチン】
記載なし。
コランチル顆粒(乾燥水酸化アルミニウムゲル・酸化マグネシウム)の添付文書抜粋
フェキソフェナジン、ロスバスタチンともに記載なし。
服用方法などについて考察
実際にこれらが組み合わさった処方が来た場合にどう対応するか、私の考えを書きます!
アレグラ(フェキソフェナジン)
乾燥水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウムが配合された処方については、禁忌ではないが吸収低下のリスクがあるため服用間隔をあけてもらう!
酸化マグネシウムなど単剤については患者様に説明をした上で処方通りの用法で服用してもらい、自覚症状の変化について確認をして必要に応じて疑義照会でいいのではないかと考えております!
クレストール(ロスバスタチン)
禁忌ではないものの、ロスバスタチンの濃度が50%(投与間隔を2時間あけても80%)下がってしまう恐れがあるため、服用時点が同一であれば念のため疑義照会を行います!
酸化マグネシウム等の単剤の場合でも血中濃度が下がる可能性があるとのことなので、血液検査の値を参考にして変化があるようであれば問い合わせるといいのではないかと考えております!
参考文献(PMDA)
最後に
マグネシウムやアルミニウムは市販の制酸剤や便秘薬などにも含まれているため、飲み合わせには十分気を付けていきたいですね!
ちなみに市販のフェキソフェナジン製剤はマグネシウム製剤は併用しないことと注意書きにありますので、併用薬の確認は油断なく行うようにしていきたいです!
PMDA等で実際の添付文書を見ていただきたいのですが、アイスフラットとアシドレスの添付文書にロスバスタチンの記載がないのは謎ですね…。
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